法人税の概要と税率のまとめ:最近の税制改定も知っておこう

会社の納税証明書を取得する際に窓口で「どの税の証明が必要ですか?」と確認された経験はありませんか?

法人税とは何か

法人税は法人に課せられた税金のことです。法人とは、営利法人や非営利法人等の自然人(普通の人)以外で、法律の規定によって人格を与えられたものが得た利益・課税所得を指します。

代表的な法人3税とは?

法人に課せられる税金には、国税である法人税、地方法人税、地方法人特別税、復興特別所得税、地方税である法人住民税、法人事業税からなります。法人3税とは、法人税、法人事業税、法人住民税の3つを指します。

法人税の税率

法人税の税率は、法人の種類、資本金の規模、所得金額によって決定されます。法人税率は平成27年4月1日より引き下げられました。

NPO法人などの場合

資本金1億円超の法人、公益法人の一部(※1)の場合、平成27年4月1日より、税率が25.5%から23.9%に引き下げられました。

(※1)この公益法人の一部とは、公益・一般社団法人、公益・一般財団法人、NPO法人を指します

学校法人などの場合

年間800万円以下の課税所得金額の場合、税率は19.0%でしたが、平成27年3月31日まで15%に引き下げられ、これが平成29年3月31日まで延長されています。

法人事業税について

法人事業税は、地方税法に基づき、法人がおこなう事業について、その事業の事業所等の所在する都道府県が課す地方税です。大きく分けて二つ、所得基準と外形基準に対して課税されます。

所得割とは

所得基準に対しては、各事業年度の所得および清算所得について課税される「所得割」をいいます。

所得割の税率は、年800万円超の所得金額に対して、平成27年4月1日から平成28年3月31日までは6%、さらに、平成28年4月1日から平成29年3月31日までは、4.8%と引き下げられます。

資本割とは

資本金1億円超の法人の場合、所得割に加えて、付加価値(収益配分された給与報酬・純支払利子等や単年度損益の合計)を課税標準とした「付加価値割」に課税されます。

さらに、資本金の額に対して課税される「資本割」からなります。この課税方式を「外形標準課税」といいます。

資本税は税率が上がる付加価値割

付加価値割の税率は、平成27年4月1日から平成28年3月31日までは0.72%、さらに、平成28年4月1日から平成29年3月31日までは、0.96%と引き上げられます。

資本割は、平成27年4月1日から平成28年3月31日までは0.3%、さらに、平成28年4月1日から平成29年3月31日までは、0.4%と引き上げられます。

法人住民税について

法人住民税は地方税法に基づき、法人の規模に係らず課税され、その事業の事業所等の所在する都道府県・市町村が課す地方税です。

東京23区にのみある法人は、例外的に都民税と一括して納付となりますが、それ以外は「道府県民税」と「市町村民税」と自治体別に分かれており、これらをまとめて「法人住民税」といいます。

税率は各市町村に確認

法人住民税は、法人税の額に住民税率を乗じた「法人税割」と、法人の資本金の額で定額な「均等割」から構成されています。税率は各自治体によって異なりますので、該当の都道府県・市町村にご確認ください。

税制改正の仕組み

事業所等の所在地による税源遍在を是正することを目的に、平成26年度税制改正で法人住民税の一部を国税化するために法人住民税率の引き下げが行われました。

さらに、地方法人特別税の一部を法人事業税へ復元することで地方法人特別税ならびに法人事業税の税率が改正されました。

地方法人税について

法人税の納税が義務づけられる法人が対象で、地方法人税の額は、事業年度の課税標準法人税額に 4.4%の税率を乗じた金額となります。

地方法人特別税について

法人事業税の納付が義務づけられる法人が課税対象で、所得割額に税率を乗じて求められます。

この税率は、平成27年4月1日から平成28年3月31日までは外形標準課税法人以外の法人が43.2%、外形標準課税法人が93.5%、さらに、外形標準課税法人については平成28年4月1日から平成29年3月31日までは152.6%に引き上げられます。

地方拠点強化税制の創設

安倍内閣の重要施策「地方創生」実現のために平成27年度創設された新たな税制です。自治体が教育、医療環境の整備等を含めた地方版総合戦略を策定し、当該戦略と連動する形で拠点を新たに地方に拡充あるいは移転を進める企業に対する税制面からの支援を講じます。

拡充型

雇用促進税制として、

①増加雇用者一人当たり50万円を税額控除
②法人全体の雇用増加率10%未満の場合であっても、一人当たり10万円を税額控除する

ものがあります。

移転型

雇用促進税制として、

① 増加雇用者一人当たり最大80万円を税額控除(拡充型50万円に、地方拠点分は更に30万円上乗せ)
② ①のうち30万円分は、雇用を維持していれば、最大3年間継続
③ ②は法人全体の雇用増がなくても、東京から地方への移転者にも適用するものです。

復興特別所得税

東日本大震災からの復興に要する財源確保のために特別措置法が(平成 23 年法律第 117 号)が公布され、これに基づいて、所得税の源泉徴収義務者は、平成 25 年1月1日から平成 49 年 12 月 31 日までの間 に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際、復興特別所得税を併せて徴収し、源泉所得税の法定納付期限までに国に納付しなければならないこととなりました。

復興特別所得税の計算方法

所得税率に応じた合計税率は、合計税率(%)= 所得税率(%) × 102.1%であり、これを給与等支払金額に乗じた金額が、源泉所得税と復興特別所得税を合わせた税額となります。

法人税の指針

法人の利益に対する法人3税の実質負担率を示す実効税率は、平成27年4月1日から平成28年3月31日までは32.11%、平成28年4月1日から平成29年3月31日までは31.33%に引き下げられます。

段階的に下げられる税率

今後、平成29年4月には消費税率が8%から10%に引き上げられ、その前後にさらに段階的に法人税率を引き下げ税率20%台の法人税率を実現する方向で様々な施策が討議されています。

グローバルな競争社会にある現在、諸外国に比べまだまだ高いといわれる法人税率はさらなる引き下げを求められるのかもしれません。

監修者

堀口 真代

大学卒業後に渡豪。在豪中に現地の銀行口座を開いたことがきっかけで外貨預金に興味を持つ。新聞社外電部、信用金庫などを経て現在はフリーランスで記事を執筆。