【法人・個人別】受取利息の仕訳はどこに分類されるの?

一般の人にはあまりなじみのない「受取利息」ですが、経理関係者にとっては頭の痛い問題。どのように仕訳されるのかご説明いたします。

受取利息に係わる各種の税金

受取利息とは、金融機関の預貯金や貸付金、有価証券などから生じる「利息」のことです。この利息を受け取ると所得とみなされ税金がかかります。

源泉徴収される受取利息

銀行や証券会社は、その利息から「源泉所得税・復興特別所得税・利子割(都道府県民税)」として先に税金の徴収をしてくれます。

前払いされた税金

受取利息から源泉徴収された分は、前払いされた税金となるため、決算や確定申告の時に納付税額から、この前払い分を差し引いて経理処理をしなければなりません。

「復興特別所得税」とは?

東日本大震災があったのは、2011年3月1日。それから約2年後の2013年(平成25年)1月1日からは、受取利息に「復興特別所得税」が追加で課税となっています。

復興事業の財源となっています

これは時限立法ですので2037年12月31日までの25年間が対象となります。

従来の受取利息は源泉所得税・道府県民税利子割が課税となっていたのですが、「復興特別所得税」も追加されたため、計算が少々ややこしくなってしまいました。

法人の場合

源泉所得税・道府県民税利子割及び復興特別所得税は、貸方科目に「法人税等」として、()に「源泉所得税」等、各税名称を詳細を記入し、損金として計上します。

受取利息の仕分け

実際に入金された金額は「普通預金」とします。貸方には「受取利息」として、貸方科目にある合算金額を記入してください。注意が必要なのは、利子割は所得税から計算が出来なくなったので別途計算が必要となります。

利子割(りしわり)とは

普通預金などを含む「預貯金等の受取り利子」に対して課税される税金で、都道府県民税の一部を利子割と言います。

事務作業が面倒な利子割

前払いされた利子割をきちんと計算して、決算や確定申告の際に差し引いて納税しなければなりません。

平成28年から廃止の利子割

以前は利子割と復興特別所得税などは、別々に計算していたのですが、平成28年1月からは、法改正などにより利子割が廃止されます。

法改正により事務負担が軽減される

廃止の目的としては、利子割の税金の規模が小さいことと、規模が小さいわりに事務負担が大きいことが挙げられます。事務負担軽減を目的に、この度廃止となりました。

「法人税等」で仕訳する理由

源泉所得税、復興特別所得税、利子割などは仕訳処理をする際、「法人税等」として処理します。

本来法人が払わなくてもよい税金

預金から源泉徴収される源泉所得税・復興特別所得税・利子割は本来は法人にはかからない税金なのです。あくまで個人の預金利息に対して課される税です。

法人は還付請求する又は控除する

銀行側は預金に対し、口座の持ち主が法人・個人に関わらず、一律に税金を徴収するため、法人の場合は、一旦納めた税金を返還する「還付請求」が必要となります。

結構ややこしい処理の受取利息

また、その他の処理方法としては「法人税から控除する」などがあります。その場合、経理上では一度「損金」にて計上して申告時に再度計算します。そして確定した金額から、控除もしくは還付請求をする形をとります。

個人の場合

口座の持ち主が個人の場合は、入金された金額はすでに源泉徴収済みですので、その金額を所得として、再度税務署に申告は不要です。

個人事業主の場合は多少経理上の処理が必要です。借方には「普通預金」として、利息金額を記入。貸方には「事業主借」として、同額を記入します。

受取利息を事業資金から借りたことにする

これは、利息金額を個人事業主が、「入金額を事業主が事業用に拠出した」と考えますので、事業用から資金を借りたという名目で、記入することになります。

受取利息の仕訳例

受け取った金額が300円(税引き後)とすると、そこから税金を計算すると75円になります。その場合の仕訳例です。

1.法人の場合

法人税等 75円   /  受取利息 375円
普通預金 300円   /

2.個人の場合

事業主貸 75円   /  事業主借 375円
普通預金 300円   /

税金の相談は税務署でも気軽に聞けます

この受取利息の法人と個人事業の処理の違いは、以前からややこしいと言われてきました。この度平成28年度から利子割が廃止になることで、少しは簡単になると思います。

「法人税等」の仕分け処理は、税務署でも詳しく教えてくれるはずです。相談も納税相談という形で話を聞いてくれます。悩んでおられる方は、最寄りの税務署へご相談されてください。

監修者

龍 良雄

関西出身。FP2級及びAFPを取得。年金や税金(節税)、マイナンバー制度や社会保険なども得意な分野です。最近では、株やFX(国内及び海外)など、金融関係も取り扱っています。現在、フリーで活躍中。趣味は映画観賞、音楽鑑賞です。どうぞよろしくお願いいたします。